パーソナルジム開業に必要な準備は？資金調達の方法や失敗例もご紹介

近年需要が高まり人気を集めているパーソナルジム。利用者の増加に合わせて、パーソナルジムを開業する人も増加しています。

本記事では、パーソナルジムの将来性や開業に必要な資格、資金調達の方法など、パーソナルジム開業に欠かせない情報をまとめてご紹介します。

パーソナルジム運営の現状とトレンド

近年、健康志向の高まりやダイエットブームにより、パーソナルトレーニングの需要が急速に増加しています。
特にマンツーマンでのトレーニングが受けられるパーソナルジムは、個別のニーズに応じたきめ細かい指導が可能であることから、多くの利用者に支持されています。
コロナ禍においても、感染リスクが低く、安心して利用できることから需要が高まりました。

ジム開業に必要なスキルと経験

パーソナルジムを開業するためには、トレーナーとしてのスキルや経験だけでなく、経営に関する知識も必要です。以下のスキルと経験が求められます。

• トレーナーとしての専門知識と技術
• 経営・管理スキル
• コミュニケーション能力
• 法務・手続きの知識
• 柔軟性と問題解決能力

これらのスキルと経験を備え、継続的な学びと改善を行うことで、パーソナルジムの運営を成功に導くことができます。成功するためには、顧客の満足度を高め、信頼されるジムを目指すことが最も重要です。

パーソナルジム開業の具体的な手続きと必要な準備

ここでは、パーソナルジム開業の具体的な手続きと、必要な準備について解説します。

法的手続き

パーソナルジムを開業するためには、いくつかの法的手続きを行う必要があります。

開業届の提出

個人事業主として開業する場合、開業届を税務署に提出します。これにより、青色申告が可能となり、税制上の優遇措置を受けることができます。

法人設立の手続き

法人化する場合は、定款の作成、公証人役場での認証、法務局での登記などの手続きが必要です。

労働保険と社会保険の加入

従業員を雇用する場合は、労働保険（労災保険と雇用保険）および社会保険（健康保険と厚生年金保険）の加入が必要です。

衛生管理と消防法の遵守

ジム施設の衛生管理や消防設備の設置について、所轄の保健所や消防署に確認し、必要な手続きを行います。

資金調達と助成金の活用方法

パーソナルジムの開業には多額の初期投資が必要です。以下の方法で資金を調達し、助成金を活用することが重要です。

自己資金

自己資金を蓄えることは、資金調達の基本です。自己資金が多いほど、融資の審査も通りやすくなります。

銀行融資

銀行からの融資を受けるためには、事業計画書の作成が必要です。具体的な収支計画、返済計画を明示することで、融資を受けやすくなります。
中でも、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は、無担保・無保証人で融資を受けられるため、特に初めて起業する方におすすめです。

助成金・補助金

助成金・補助金には様々な種類があります。

地域中小企業応援ファンド、小規模事業者持続化補助金、創業助成事業などがあり、制度によって支援してもらえる金額や手続きも様々です。
公式サイトなどを確認して、自分が支援を受けられる条件に当てはまっているのか確認してみましょう。

クラウドファンディング

クラウドファンディングを利用して、広く一般から資金を募る方法もあります。これにより、開業前から顧客との関係を築くことが可能です。

ジムのコンセプト設定と料金体系の決め方

パーソナルジムを成功させるためには、明確なコンセプトと競争力のある料金体系を設定することが重要です。

ジムのコンセプト設定

ジムのコンセプト設定のためには、下記の2つのステップを踏む必要があります。

ターゲット市場の選定

まず、どのような顧客層をターゲットにするかを明確にします。ダイエット目的の女性、シニア層、アスリートなど、ターゲットを絞ることで、効果的なマーケティングが可能になります。

差別化ポイントの明確化

競合他社との差別化を図るために、ジムの強みを明確にします。例えば、独自のトレーニングメソッド、最新のトレーニング機器、アットホームな雰囲気などです。

料金体系の決め方

料金体系を決める際には、下記の3つの事柄を意識して設定しましょう。

市場調査

ターゲットとする地域の他のパーソナルジムの料金を調査し、競争力のある価格設定を行います。

料金プランの多様化

顧客のニーズに合わせて、複数の料金プランを提供します。例えば、月額制、回数券制、パーセッション制などです。

初回体験の割引

新規顧客を獲得するために、初回体験セッションを割引価格で提供するのも有効です。

パーソナルジム開業で失敗しがちな事とその対策

ここでは、パーソナルジム開業で失敗しがちなことと、その対策をご紹介いたします。
今後パーソナルジムの開業を検討している方は、廃業をさけるためにもぜひご覧ください。

• 立地選びの失敗
• 過剰な設備投資
• ターゲット層の設定ミス
• マーケティング不足
• 顧客サービスの質の低下

立地選びの失敗

交通の便が悪い、駐車場がない、目立たない場所などの理由から、 立地が悪い場所にジムを開業すると、集客が難しくなります。
パーソナルジムの経営に成功するためには、顧客層がアクセスしやすい場所を選定します。駅から近い、駐車場がある、商業施設の近くなどが理想です。事前に周辺の競合他社を調査し、差別化ポイントを見つけることも重要です。

過剰な設備投資

開業時に最新の高額な設備を揃えすぎ、初期費用が膨れ上がってしまい、運用資金が少なくなってしまうケースも珍しくありません。
初期投資は最小限に抑え、基本的な設備からスタートします。顧客のニーズを見極めながら、段階的に設備を追加します。リースや中古品を利用するなど、コストを抑える方法も検討します。

ターゲット層の設定ミス

明確なターゲット層を設定せず、幅広い層を狙いすぎることでサービス内容が曖昧になってしまいと、集客に繋がりません。

具体的なターゲット層を設定し、そのニーズに合わせたサービスを提供します。例えば、ビジネスパーソン向けには早朝や夜間の営業を行う、主婦向けには託児サービスを提供するなど、具体的な対策を講じます。

マーケティング不足

十分なマーケティングを行わないことで、開業後に顧客を獲得できない可能性もあります。

SNSやウェブサイトを活用してプロモーションを行い、地域のイベントやフェアに参加して知名度を上げます。オープン前からの宣伝活動を徹底し、口コミを促進するための特典やキャンペーンを実施します。

顧客サービスの質の低下

トレーナーの質やサービスの質が低いと、リピーターが増えず、顧客満足度が低下します。

トレーナーのスキル向上のための研修を定期的に実施し、顧客のフィードバックを収集してサービス改善に努めます。個別対応や丁寧な接客を心掛け、顧客満足度を高める努力を続けたり、顧客のニーズに迅速に対応したりすることも重要です。

入念な事前準備でパーソナルジム開業を成功させよう

パーソナルジムの開業に必要な手続きや、資金調達の方法、よくある失敗例などをご紹介いたしました。

時間とお金をかえて開業したパーソナルジムを廃業に追い込むことを避けるためには、開業前の準備を念入りに行うことが大切です。

資金調達などに加えて、ターゲット分析や立地選定なども慎重に行い、開業後に経営を軌道に載せられるようにしましょう。